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転職しなくても取り戻せる!会社から合法的にお金を受け取る制度7選【残業代・手当・給付金】
「転職か副業でもしないと生活が厳しい」と思っているあなた、少し待ってください。実は今の会社にいながら、法律が保障するお金を受け取っていないケースが非常に多くあります。未払い残業代、使っていない各種手当、知らないままスルーしている給付金——これらを合わせると、年間で数十万円以上になることも珍しくありません。この記事では、転職ゼロ・副業ゼロのまま、今すぐ合法的にお金を取り戻す制度を7つ、具体的な請求方法とともに解説します。
目次
- ①未払い残業代——最大3年分さかのぼって請求できる
- ②交通費・住宅手当・家族手当——もらい忘れていないか確認する
- ③有給休暇の買取・消化——使わないと消えるお金
- ④傷病手当金——病気で休んでも給与の2/3が最長1年6ヵ月もらえる
- ⑤高額療養費制度——医療費が月8〜10万円超えたら還付される
- ⑥育児休業給付金——最大で休業前給与の67%が給付される
- ⑦教育訓練給付金——スキルアップ費用を最大70%国が負担
- 残業代を実際に請求する手順
- まとめ:まず給与明細と労働時間を照合しよう
①未払い残業代——最大3年分さかのぼって請求できる
残業代の計算方法をまず理解する
残業代(割増賃金)は、労働基準法第37条で支払いが義務付けられています。計算式は以下のとおりです。
- 法定時間外労働(月60時間まで):通常賃金の1.25倍
- 法定時間外労働(月60時間超):通常賃金の1.50倍(中小企業は2023年4月から適用)
- 深夜労働(22時〜翌5時):通常賃金の1.25倍(時間外と重複する場合は1.50倍)
- 法定休日労働:通常賃金の1.35倍
「みなし残業(固定残業代)」が設定されていても、実際の残業時間がみなし時間を超えた分は別途支払う義務があります。「残業代は固定でこれだけ」と言われていても、それを超えた分は法律上必ず支払われなければなりません。
3年分までさかのぼって請求できる
2020年4月の民法改正により、賃金債権の消滅時効は3年に延長されました(それ以前は2年)。つまり、過去3年分の未払い残業代を一括で請求できます。
月10時間の未払い残業があったとして計算してみましょう。時給2,000円の場合、10時間×1.25倍×12ヵ月×3年=90万円です。「少し残業しているだけ」でも、積み重なれば大きな金額になります。
「サービス残業」が違法である根拠
「うちの会社は残業代が出ない文化」「上司が帰らないから帰れない」——これは会社の慣習であり、法律違反です。会社が労働時間の管理を適切に行わず、残業代を支払わないことは労働基準法違反であり、6ヵ月以下の懲役または30万円以下の罰金が経営者に科せられます。
泣き寝入りする必要はまったくありません。
②交通費・住宅手当・家族手当——もらい忘れていないか確認する
手当は会社ごとに異なるが「申請主義」が多い
多くの会社で設けられている各種手当は、自分で申請しないと支給されないものがほとんどです。就業規則や給与規程を確認し、自分が対象になっているにもかかわらず申請していない手当がないか、今すぐチェックしてください。
- 交通費(通勤手当):引越し後に更新し忘れていませんか?実費精算タイプなら変更届を出すと差額を受け取れます。
- 住宅手当:賃貸に引越した、家を購入した際に新たに受給資格が生まれる場合があります。
- 家族手当・扶養手当:結婚・出産後に届け出ていますか?未申請のまま数年が経過していることも。
- 資格手当:社内評価に使える資格を取得したにもかかわらず申請していないケース。
- テレワーク手当:在宅勤務が続いているなら通信費・光熱費補助の対象かもしれません。
就業規則は見る権利がある
労働基準法第106条により、会社は就業規則を労働者がいつでも確認できる状態に置く義務があります。「見せてもらえない」「どこにあるかわからない」という場合は、総務・人事に堂々と請求してください。拒否することは違法です。
就業規則の「賃金規程」「給与規程」の項目を重点的に確認し、支給条件を満たしているのに受け取っていない手当を洗い出しましょう。
③有給休暇の消化——使わないと消えるお金
有給休暇は「使い切らなければ損」な制度
年次有給休暇(有給)は、労働基準法第39条に基づき付与される権利です。しかし日本の有給取得率は依然として低く、多くの労働者が毎年大量の有給を失効させています。有給休暇は2年で時効消滅します。つまり使わなければ、ただ消えていくお金です。
勤続6年6ヵ月以上のフルタイム正社員には、年間最大20日の有給が付与されます。1日の賃金が1万5,000円だとすれば、20日で30万円分の権利です。使い切らなければ毎年30万円を捨てているようなものです。
2019年から年5日の有給取得が会社側の義務に
2019年4月の労働基準法改正により、年10日以上の有給が付与される労働者には、会社が年5日以上の有給取得を確保する義務が生じました。会社がこれを守らない場合、会社側に罰則(30万円以下の罰金)が科せられます。「忙しくて有給が取れない」環境は、会社の法違反でもあるのです。
退職時の有給買取は任意だが交渉できる
退職時に未消化の有給を会社が買い取る義務はありませんが、労使合意があれば買取は合法です。退職時に残っている有給が多い場合、買取交渉を行うことで数十万円の上乗せになることもあります。特に円満退職を目指す場合、有給消化か買取かを事前に相談しましょう。
④傷病手当金——病気で休んでも給与の2/3が最長1年6ヵ月もらえる
「病気で働けない」ときの最強のセーフティネット
健康保険の傷病手当金(しょうびょうてあてきん)は、病気やケガで仕事を休んだ場合に、給与の約3分の2(正確には標準報酬日額の2/3)が最長1年6ヵ月間支給される制度です。会社員・公務員(健康保険加入者)が対象で、最初の3日間(待期期間)を除き、4日目から支給が始まります。
月収30万円の場合、支給額は概算で月約20万円。約6ヵ月分の傷病手当金を受給すれば、総額120万円に相当します。
申請しないともらえない——見逃しが多い理由
傷病手当金は自動的には支給されません。自分(または家族)が会社と連携して申請書を提出する必要があります。「有給を使い果たした」「休職に入った」タイミングで申請を検討してください。うつ病・適応障害などのメンタル疾患も対象です。
申請窓口は加入している健康保険組合または協会けんぽです。会社の総務担当者に「傷病手当金の申請をしたい」と一言伝えれば、手続きを案内してもらえます。
退職後も受給できるケースがある
退職前に傷病手当金を受給していた場合、一定の条件(継続して1年以上の被保険者期間など)を満たせば、退職後も受給を継続できます。転職活動中や療養中でも収入が途絶えないため、非常に重要な制度です。
⑤高額療養費制度——医療費が月8〜10万円超えたら還付される
1ヵ月の医療費に上限がある
高額療養費制度(こうがくりょうようひせいど)は、1ヵ月の医療費の自己負担額が一定の限度額を超えた場合、その超過分が後から払い戻される制度です。年収によって自己負担の上限が異なります。
- 年収約370万〜770万円(標準的な会社員):月の上限は約8万100円+αが目安
- 年収約370万円以下:月の上限は約5万7,600円
- 年収約770万〜1,160万円:月の上限は約16万7,400円+α
手術や入院で医療費が高額になった場合、差額が必ず戻ってきます。申請しなければ還付されませんので、大きな医療費がかかった月は必ず確認してください。
「限度額適用認定証」で窓口負担を最初から減らせる
入院が事前にわかっている場合は、健康保険組合・協会けんぽに限度額適用認定証(げんどがくてきようにんていしょう)を申請しておくと、病院の窓口での支払い自体を上限額以内に抑えられます。一時的な大きな出費を避けられるので、入院前には必ず取得しましょう。
⑥育児休業給付金——最大で休業前給与の67%が給付される
育休中は給与の50〜67%が支給される
育児休業給付金(いくじきゅうぎょうきゅうふきん)は、育休取得中に雇用保険から支給される給付金です。支給額は以下のとおりです。
- 育休開始〜180日目:休業開始前賃金の67%
- 育休181日目以降:休業開始前賃金の50%
さらに2025年度からは、両親ともに育休を取得する「パパ・ママ育休プラス」の場合、一定期間は手取りがほぼ100%に近くなる新制度(育児休業給付の強化)も始まっています。育休中は社会保険料も免除されるため、実質的な手取り減少は思ったより小さくなります。
男性の育休も当然の権利
2022年10月から施行された産後パパ育休(出生時育児休業)制度により、男性も子どもの出生後8週間以内に最大4週間の育休を柔軟に取得できるようになりました。この期間も育児休業給付金の対象です。「男性だから育休は取れない」は古い常識です。給与の67%をもらいながら休む権利が法律で保障されています。
⑦教育訓練給付金——スキルアップ費用を最大70%国が負担
資格取得・スキルアップ費用が還付される
教育訓練給付金(きょういくくんれんきゅうふきん)は、雇用保険に一定期間加入している在職者・離職者が、厚生労働大臣の指定する講座を受講・修了した場合に、受講費用の一部が支給される制度です。働きながらスキルアップする人を国が支援する制度です。
- 一般教育訓練給付金:受講費用の20%(最大10万円)が支給。英語・簿記・介護資格など幅広い講座が対象。雇用保険加入期間1年以上で利用可能。
- 特定一般教育訓練給付金:受講費用の40%(最大20万円)が支給。ITパスポート・宅地建物取引士など即戦力性の高い資格が対象。
- 専門実践教育訓練給付金:受講費用の50〜70%(最大224万円)が支給。看護師・保育士・社会保険労務士・MBA取得などの長期講座が対象。雇用保険加入期間3年以上で利用可能。
在職中でも受給できる
離職している必要はなく、会社に勤めたまま受給できます。副業や転職を見据えたスキルアップ投資の自己負担を大幅に減らせる制度です。対象講座は厚生労働省の「教育訓練給付制度 検索システム」で簡単に調べられます。活用している人が少ないため、知っているだけで大きなアドバンテージになります。
残業代を実際に請求する手順
ステップ1:証拠を集める
残業代請求で最も重要なのは「労働時間の証拠」です。以下のものを確保してください。
- PCのログイン・ログオフ記録:IT部門に開示請求、または画面キャプチャで保存
- 入退室記録・ICカードの履歴:セキュリティカードの通過記録
- メールの送受信タイムスタンプ:深夜・休日に送ったメールは有力な証拠
- 自分で記録した業務日報・メモ:手書きでも有効
- チャットツールのログ:Slack・Teams等のタイムスタンプ
証拠は今日から集め始めてください。タイムカードや勤怠システムのデータも、会社に対して開示請求が可能です。
ステップ2:未払い額を計算する
時給換算した賃金に割増率を掛けて、月ごとの未払い額を積算します。計算が難しければ、弁護士や社会保険労務士(社労士)に無料相談するのも手です。法テラス(日本司法支援センター)では収入に応じた低額相談も受け付けています。
ステップ3:会社に内容証明郵便で請求する
証拠と計算が揃ったら、内容証明郵便で会社に請求書を送ります。内容証明は「いつ・どんな内容を送ったか」が郵便局に記録されるため、法的証拠力があります。書き方のテンプレートはネットで多数公開されています。
ステップ4:それでも支払われない場合の選択肢
- 労働基準監督署への申告:無料で相談・申告でき、監督官が会社に指導・調査を行います。
- 労働審判:裁判所で迅速(原則3回以内)に解決できる制度。費用が少なく、3ヵ月程度で結論が出ます。
- 弁護士による訴訟:弁護士費用は成功報酬型が多く、請求額の20〜30%が相場。初期費用ゼロで着手してくれる事務所も多い。
いきなり訴訟は敷居が高く感じますが、労働基準監督署への申告は無料でできる最初の一手です。「申告したら会社に報復される」という不安がある場合も、申告者を特定されない形で動いてもらうことを相談できます。
まとめ:まず給与明細と労働時間を照合しよう
この記事で紹介した7つの制度を振り返ります。
| 制度 | 受け取れる金額の目安 | 申請先 |
|---|---|---|
| 未払い残業代 | 月数万円〜年数十万円(3年分) | 会社・労基署・弁護士 |
| 各種手当(交通費・家族手当等) | 月数千円〜数万円 | 会社の総務・人事 |
| 有給休暇の消化 | 年間最大20日分の給与相当 | 会社(権利行使) |
| 傷病手当金 | 給与の2/3×最長1年6ヵ月 | 健康保険組合・協会けんぽ |
| 高額療養費制度 | 月8〜10万円超の医療費を還付 | 健康保険組合・協会けんぽ |
| 育児休業給付金 | 給与の50〜67%×育休期間 | 会社経由でハローワーク |
| 教育訓練給付金 | 受講費の20〜70%(最大224万円) | ハローワーク |
「会社から搾取されている」と感じているなら、まず今月の給与明細と勤怠記録を照合することから始めてください。残業代が正しく計算・支払われているか。申請できていない手当はないか。有給は消化できているか。この3つを確認するだけで、多くの人が「取り戻せるお金」の存在に気づきます。
転職や副業も選択肢ですが、まず自分の権利を正しく行使することが先決です。法律はあなたの味方です。知識を武器にして、自分が働いた分のお金を正当に受け取りましょう。


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